市町村の大半 公費継続/麻疹・風疹 単独接種
市町村の大半 公費継続/麻疹・風疹 単独接種
沖縄タイムス:2006年4月14日(金) 朝刊 31面
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200604141300_02.html
予防接種法の一部改正で、四月以降自己負担の任意接種となった麻疹(はしか)と風疹の単独ワクチンの予防接種を、県内の多くの市町村が経過措置として公費で負担することが十三日までに分かった。いずれの自治体も従来通り七歳半以下を対象とし、来年三月末までの一年間、個別または集団接種で単独ワクチンを受けられるようにしている。一部の地域では、風疹のワクチン不足の情報もあり、各自治体は対応に追われている。(比屋根麻里乃)
措置を取っているのは、四十一市町村のうち、三十三市町村。そのうち、うるま市でははしかと風疹それぞれ八百人、宜野湾市で同五百人、石垣市で同四百人を見込んでいる。
はしか・風疹の未接種者がいないのは粟国村や伊江村など九村で、そのうち六村は、今後一年間の転入者に対しては、公費で負担するという。
大宜味村や東村など、未接種者が数人いるが、「再三勧奨、通知した」として、体調不良など事情がある対象者を除き、自費での接種を決めた。
竹富町や与那国町などは「これから措置を取るか検討したい」としている。
各自治体は、三月末までの接種を勧奨してきたが、二月から三月にかけて「子どもの体調が悪く、三月末までに受けられない」「四月以降の措置はどうなるか」などの相談が増えたという。
また、宜野湾市やうるま市、沖縄市、浦添市などでは三月末から今月にかけて「病院に行ったが、風疹ワクチンの不足で接種できなかった」という電話も十件以上入っている。五月末に予定されているワクチン入荷の確認が取れ次第、対象者に個別通知するという。
条件統一求める/はしか0委員会
県はしか0プロジェクト委員会(知念正雄委員長)が十三日、那覇市の県中央保健所で開かれ、麻疹と風疹の予防接種の経過措置について県内で公費接種できるワクチンが医師会の地区によって異なることが報告された。委員からは「保護者が混乱する」「不公平だ」などの指摘が相次ぎ、今後、県内の条件を統一するよう各自治体などに働き掛けていくことを決めた。
四月以降に経過措置を決めた県内市町村では、地区ごとに公費で接種できるワクチンが異なる。
二歳から就学一年前ではしか・風疹どちらも未接種者の場合、中部地区医師会管内の九市町村や那覇市では、混合ワクチン(MR)、単独ワクチンが接種可能。浦添市は混合のみ、南部地区医師会管内の七市町は単独ワクチンのみとなっている。
混合ワクチンを導入しない理由として、新しいワクチンへの不安や、健康被害に対する責任がとれない、などが報告された。
今後、混合ワクチンや新制度への理解を深め、情報を共有するため、担当者を集めた勉強会を開くことが提案された。知念委員長は「今の条件では不公平。できるだけ早く統一したい」と話した。
会では、二〇〇五年の県内のはしか発生がゼロだったことも報告された。
[ことば]
国の定期予防接種法の一部改正 4月から麻疹と風疹の定期予防接種が、従来の単独ワクチン接種から「混合(MR)ワクチンによる2回接種」に変わった。同時に、公費で接種できる対象年齢が「生後12―24カ月」と「小学校就学直前の1年間」に限定される。はしか、風疹どちらかの予防接種を受けた者や罹患した者は、定期接種の対象外。
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